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分岐点 (後編)

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―カエル…?
小学校の理科室でしか見たことがないけれど、ホルマリン漬けにされているあの蛙。
暗がりの中、小さな瓶がいくつか見えた。
無意識に棚に並ぶ本を払いのけた。それは本に隠れるようにズラリと並んでいた。
小さな瓶から徐々に大きな瓶へと整然と並んでいる。
竜輝がおもちゃを並べるのと同じように。
蛙以降の瓶は、怖くて中身を確かめることができなかった。
米袋くらいある大きさの瓶には一体何が入っているのか。
胃液が込み上げる。
「僕は、悪くない、僕は、悪くない」
―何これ
「初めての大きさだったから…。…僕は、悪くない、僕は、悪くない」
―お母さんをかばってたわけじゃ…
私の考えが間違っていた。いや、最初の考えで合っていたのだ。
―この子が、竜輝を…?

作品名:分岐点 (後編) 作家名:柊 恵二