小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

始まりの朝

INDEX|4ページ/6ページ|

次のページ前のページ
 


「兄貴、でかける準備しろよ。30分後には出るから」
「分かった~」

なんだか兄貴の声が元気がない気がする。
恵助はふとそう思った。

どうしたのだろう。
買い物に行く日は、いつも嬉しそうにしているのに。

まさか、どこか具合でも悪いのだろうか。
「兄貴、どうした?具合悪くなったか?」
「ううん。違うんだ。ちょっと考え事をしてただけだから。大丈夫」

やっぱり、なにか変だ。
元気がない。

「兄貴、本当になんでもないのか?それとも、俺に言えないことで悩んでる?」
ビクリと肩が震えたのを見て目を眇めた。
「…そうなのか?」
表面では平静を保ちながらも、頭の中は混乱状態に陥っていた。

兄貴が、幸助がオレに隠し事…?
「…もしかして、彼女ができたとか?」

そうだとしたら、…オレはもう必要ナイ?

「ちがうッ!そんなんじゃないよ」

彼女など要らない。
恵助しか、いらない。


「…違うんだ。俺は、…恵助が、恵助が好き、なんだ。
恵助を恋愛対象として、見ているんだよ…」

作品名:始まりの朝 作家名:笹原蓮華