分岐点 （中編）
あれから、どれくらい時間が過ぎただろう…。
もうすぐ消灯の頃だろうか…。
私は扉の近くに座り、じっと待っていた。
冷たいタイルの上で、夜勤の看護師が来るのを…。
何度も何度も頭の中で練習した。イメージトレーニングは得意なほうだ。自分が成功する情景を具体的に思い浮かべる。
チャンスは一度きりだ。失敗したら、これまで怒りと不安に耐えながら演技してきた努力が無駄になってしまう…。それだけじゃない。今以上に管理は厳しくなって、きっと私は二度とここから出ることはできないだろう。そして、本当に患者にされてしまう…。子どもたちを助けることができなくなる…。
そんなこと許されない。私には一分一秒も無駄にする時間はないのだ。
そして、私の運命を変える、その時が来た。