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むべやまかぜを 風雲エターナルラブ編2

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 「作者と読者は……多分魂が似ている。魂だけじゃなくて考え方や、もしかしたら体格、背格好も似ているかもしれないわね。繊細な作者の作品を愛読する読者は繊細。粗野な作者の作品を愛読する読者は粗野。拗けた作者の作品を愛読する人は拗けている。もとより魂が相似の関係でないと、作品を理解できない」
 「エターのファンはだったら、女にも感情があって、そいつが泣いたり悲しんだりしているってことがわかってない、他人にも心があるってことが理解できねー奴らなんじゃないかな。感受性や共感能力が圧倒的に鈍い。で……それは作者もそうなんだと思うよ。独りよがりなんだよな。自分が快感なら相手も快感だろうって、そんな感じ? 馬鹿か」
 「……」
 妹はオタクを先導する教祖大村のことを思い出している。そして教祖に群がるオタク連。大村は自分の信者を嫌っていたが、我欲ばかりということでは先導する側もされる側も極めて似ている。魂は相似形。 
 「でもさ……人間っていろいろと生きていって、自分も踏まれたり、傷ついたりってことで成長していくもんなんだよね。そうやってプレイヤーのほうは少しずつまともになってって……でも作り手は変わらない。どうして作り手が成長しないのかは分からんけどな。だから、やっぱりプレイヤーが減っていくのも当然なんじゃないかな。自分の子供に、エターをやらせたいファンって……多分いない」
 「自分の子供にエターをやらせたい、か……そうね」
 大井弘子はまた笑った。
 「でも……それじゃだめなんじゃないかな。ビートルズ聴いてた人は子供にもビートルズ聴かせたいって思うし、黒澤の映画見て感動した人は、子供にも黒澤の映画見せたいと思うと思うんだよね。そういう作品を作ろうって言う気概……まあ、そんなのゲーム屋に求めるのは酷か」
 「そうね。どうかしら……」
 「まあ、一作目だからね。次の作品をやってみて、だね。回を追うごとに作り手も進化している……というわけでもないか。セールス順調に落としてってるから」
 丸山花世は言いたいことはだいたい言ってしまい、そこで、攻守が入れ替わった。
 「それよりも……これ、ちょっと見て」
 「ん。何?」
 姉が示したにチャンネルのスレッド。丸山花世は横から覗き込む。