小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

サイコシリアル【5】

INDEX|5ページ/10ページ|

次のページ前のページ
 

 「ごふっ」
 肺に溜まっていた空気を吐き出しながら壁に激突。
 背中からもろに壁に激突し、頭部が慣性の法則に従って後を追うように壁に直撃した。
 一瞬、意識が飛びそうになったが、なんとか堪え目の前を見据える。
 するとそこには、ゆらゆらと体を左右に揺らしながら立っている九紫戌亥がいた。
 どうやら僕の拳は彼に届いていたらしい。
 「ははは・・・・・・してやったりだな、戌亥」
 そういう僕の意識は遠のいていく。壁伝いにずるずると情けなく、倒れ込んでいくのが分かる。遠のいていく意識の中、戯贈と九紫がこちらに駆け寄ってくるのを捉えたが、僕には応えることが出来ない。それほどまでに、僕の体は限界らしい。後は、兄弟間、被害者の問題だ。傍観者が出しゃばるべきではない。僕が出来ることは、全部やったつもりだ。
 多分、不可能なんてない。不可能を可能にした時点で、それは可能だったってことなんだから。
 だから、この壊れかけた関係を修復するのも不可能ではないのかな。
 僕は、最後の最後に良く分からない思考回路を展開し意識を失った。


作品名:サイコシリアル【5】 作家名:たし