ちょっと怖い小咄 【二幕】
小咄其の拾八 『正義の味方・ロボ刑事編2』
「で、どーしたん自分。なんでスッポンポンになったんですかー?」
警察署の取調室にスーパーロボット刑事『i』はいた。取り調べを受けている最
中である。
「私は××署の刑事『i』であります。」
「ッなわけないやろ! 人様の前でいきなり全裸になるポリがどこにおんねん。し
ばくでコラ」
スッポンのナマこと生瀬半平太刑事は執拗だ。
「ほ、本当です。警察手帳だって…上着に入っていたのですが」
「このご時世にポイポイ服なんか投げ捨てたら、誰にもってかれてもしゃあないわ
なー。ほな、白状しよか。私は露出狂のろっちゃんですー・てな」
わなわなと震える『i』。
「なんで同じ仲間の言葉を信じないんだ。人間とはこんな薄情な生き物だったので
すか。マザー!」
「欧米かいッッ」
取り調べは難航した。
「わ、私はロボット犯罪を防ぐため造られた高性能ロボットなんです。さっきも悪
のロボットを撃退すべく、速射砲を出そうと」
しかもそんなこと言い出すものだから
「あかん、これは行き先違いや。せんせ~、患者さんがおりまっせー。」
浪速の刑事は全力で聞く耳をもたない。
「ほ、本当ですって! なんならここでガトリングキャノンを」
「はいっ白状しましたー、猥褻物陳列罪。んな爪楊枝みたいなのが何がキャノン
やねん。だいたいな・・・・・あ?」
めり、
めりめりめり。
生瀬刑事が見ている前で『i』の人工皮膚は破れ、銃やらミサイルやら小型ヘリコ
プターやら飛び出してきた。
「おわ~~~~~~! なんや自分~!?」
「オートバイにも変形できます。」
みりみりみり、ガチョン。
・・・今度こそホントにおしまい…か?(^^;
作品名:ちょっと怖い小咄 【二幕】 作家名:JIN