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Minimum Bout Act.01

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 ノイアの死に関してだが、体に時限型の毒がカプセル状で埋め込まれていて、組織の事がバレる前に遠隔操作で毒カプセルを破裂させたという事で一応の決着がついた。
 だが、それだけだった。


 「結局また組織かよ……」
 バーの一番奥の席でカッツが面白くなさそうに呟くと、トレインはグラスに注がれたバーボンを一気にあおった。
「……かあっ! 警察でも手出し出来ねえからな。plainは上層部にかなり恩を売ってやがる」
「こうやって毎回毎回手がかりがぷっつり切れてしまうんだから、どうしようもねえな。ムカつくが、俺達みたいな一般人にはなおさらお手上げだ」
 文字通り両手を挙げると、おやじ2人は今日の出来事を肴に次々とボトルの酒を減らして行く。
 それを横目にシンがルーズと話しを始める。
「パスト・ヤーセンの方はどうだった?」
「トレインの知り合いの息子さんなんでしょ? そっちの方は確認したわ。組織との繋がりはなさそうね。元気に時計を作ってるみたいだったわ。あ、トレインによろしくですって」
「おう。あの鼻たれ小僧も立派になったもんだぜ」
 嬉しそうに言うと、トレインは鼻の下を指でこすった。
 実際ノイアがどういった組織の仕事をしていたのか、詳しい事はまだ分かっていない。若者に人気のドラッグを、ドルクバ国外に運ぶ運び屋を総括していたらしいという事は分かったのだが、その方法や規模、金の流れなど、調べなければいけないことはまだ山のようにある。
 しかし、ここから先は警察の仕事だ。カッツやシン、ルーズの仕事では無い。
「だけどエレン……じゃなかった、ノイアは本当にパストの事を一方的に好きで、私達に捜すように依頼したのかしら?」
「どういう事だ?」
 今度は軍隊時代の昔話に花を咲かせたカッツとトレインを無視して、シンがぼそりと呟いたルーズに尋ねる。
「だって、組織の仕事を10年もやっていたノイアが、自分のIDが偽物だと分かるような行動を自ら取るなんておかしいじゃない。私達の事は組織も知っているんだし、IDの事だってバレる可能性は高かったはずよ。それなのに自殺行為とも言える行動をしたノイアに納得いかないの」
「それだけパストの事が好きだったんだろ?」
「自分の手下を使って捜させる事くらい出来たんじゃないかしら? それに父親をもっと問いつめれば分かったかもしれないのに……」
作品名:Minimum Bout Act.01 作家名:迫タイラ