オリーブの枝
今日も2人は談話室にいた。今日もというより、毎日いる。ここにしか行くところがないのだ。
「なんか疲れているわね」
「そうかなぁ。そう見える?」
平然を装っていたが、彼の息は明らかに乱れていた。
「私にはあなたの姿は見えないけど、話し方でわかる」
「あ……ごめん」
「いいわ、許してあげる。それで、何かあったの?」
「たいした話じゃないよ」
「話したくないならいいけど、私たち……」
何かを言いかけたが、口ごもって聞き取れなかった。
「……友達?」
「友達、そう、友達よ。だから、悩みは聞くわ」
どこかたどたどしい言い方だった。
「そうだな、じゃあちょっと長くなるけど聞いてほしい。友達だからいいだろ?」
彼女は大きく頷く。ふぅとため息を吐いて、昨晩の夢の話をした。