小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

オリーブの枝

INDEX|7ページ/37ページ|

次のページ前のページ
 

 ここはどこだ?やけに暑く、足場が悪い。洞窟の中のようだが、どこか様子がおかしい。光は全く差し込まず、耳を澄ましてみると、ア、アアアア、アアアアアアア、と人間か何かの生き物のうめき声のようなものが聞こえてくる。
 あぁ地獄か、やはりそうか。死んじまったのか、俺。そう確信し、歩き出す。辺りは広く、歩いてもほとんど景色が変わらない。ふと、立ち止まる。
 人の死体だ。痩せ細った体で、首と体は分離していて、顔は髪で隠れていた。それを見るやいなや、腰を抜かし、後退りした。それが、あの記憶を思い起こさせたからだ。
 はぁはぁ、と息が荒くなる。後ろに下がっていると、何かにぶつかった。誰か……いる。おそるおそる後ろを振り返ってみた。
 その瞬間、目の前が真っ暗になった。突然の出来事に混乱して、立ち上がった。何だ、どうしたんだ、誰に言うのでもなく叫んだ。不安で体が震えだす。
 人殺し!
 はっきりそう聞こえた。後ろのほうからだ。やめろ、やめてくれ!前へ走り出した。
 人殺し!
 前からも聞こえてきた。耳を塞ぎ、右へ左へと必死で逃げた。
 人殺し!人殺し!人殺し!人殺し!人殺し!人殺し!人殺し!人殺し!人殺し!人殺し!人殺し!
 その声はどんどん大きくなって、襲い掛かってきた。
 やめろ、やめてくれ!仕方がなかったんだ、ああするしかなかったんだ!
 人殺し!人殺し!人殺し!人殺し!人殺し!人殺し!人殺し!人殺し!人殺し!人殺し!人殺し!
 さらに声は大きくなり、取り囲まれた。どこからともなく襲ってくる声に攻め立てられ、蹲ってしまった。
 人殺し!人殺し!人殺し!人殺し!人殺し!人殺し!人殺し!人殺し!人殺し!人殺し!人殺し!
 うわあああああああああああああああああああああ!!やめてくれーーー!!!
 叫び声をあげ、あたりかまわず暴れた。得体の知れぬ何かを全てぶち壊したかった。
 
作品名:オリーブの枝 作家名:ちゅん