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しらとりごう
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novelistID. 21379
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ブローディア冬

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 ルイと石間が玄関前に積もった雪を除雪している。昨シーズンにルイが買った雪はね用の機械で歩道と駐車スペースを作って、石間のスコップで庭の間を通る細道を作っているらしかった。
 近所の人に声を掛けられて、ルイが返事をしているのが聞こえる。石間はたまに。誰もいなくなるとルイとやり取りしているみたいだった。
 もう少し声が聞きたい。距離がある分よけいに途切れ途切れにしか聞こえないのが歯がゆい。

 俺は客間で一人冬休み中の特別課題をやっている。ばあちゃんが雑煮を作って。

「イシマ」

 ルイの声が機械の音に混じって聞こえてきた。
 さっきまでより張り上げているような声だ。

「わーってますって」

 イシマがボスっとスコップをどこかに刺した音も。シャカシャカとダウンを鳴らして歩く石間とルイの長身二人組が、この田舎のばあちゃんちにいて雪かきをしてるなんて変な感じだよな。
 ばあちゃんは鼻が高いって言っていた。だからもっと近所の人に挨拶してもらえ、だって。

 俺はそわそわして、集中できない。

「ばあちゃん、俺おもち焼くよ」

 俺もばあちゃんのナイトの一人になれるかな?
 今のところその余裕が持てないでいるけれど……。

作品名:ブローディア冬 作家名:しらとりごう