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サイコシリアル[4]

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 「何を言っているの、そうなるよな。だからこそだよ、戯贈。多分さ、兄貴は何かしらの出来事でその事実を知ったんだろう。それで何かを企んだ。端的に言うのならクーデターってところだろうか。一族を潰し、政府も潰す。多分、戯贈の両親は九紫戌亥の計画を知ってしまったんだよ。それで、九紫戌亥は戯贈の両親を殺した。そこを偶然霞ヶ窪が目撃していたんだろう」
 「もし仮に、涙雫君の言うことが事実だとして、私はそこに枝苑が殺される理由を見出すことが出来ないわ。枝苑は単に、九紫戌亥の事を探していただけで、調べていただけであって。それだけだと、殺される理由になんかならない」
 「人を殺す理由はあるが、人が殺される理由はない。つまりはこれだよ、戯贈。九紫戌亥には、九紫を殺す理由があったってことだよ。さしずめ、九紫は知ってしまったんだろうな。この真相を。九紫戌亥がやろうとしていたことを。それを止めようとした。けれど、それは九紫戌亥にとっては邪魔者でしかない。奴は言ってたよ『邪魔をする奴がいたら誰であろうと殺す』って」
 知ってはいけないことを知ってしまった。
 探究心から・・・・・・いや、兄の事を想うただその一心だけで知ってしまったのだろう。九紫亡き今となっては、真実を突き止めることは事実上不可能であるわけなのだけれど、僕はそう感じる。
作品名:サイコシリアル[4] 作家名:たし