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サイコシリアル[4]

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 「なぁ、戯贈」
 「何?」
 「僕の考えを聞いてくれるか? この連鎖の結末でもある仮定を」
 九紫の死で推測したこと、予想したこと。
 「僕さ、祢黒病棟で九紫戌亥と会ったんだよ。で、その時に九紫戌亥は一族が憎いと言っていたんだ。政府もろともね。九紫は言っていただろ? 『兄はある時から政府を忌み嫌うようになった』って。ということはさ、それまでは忌み嫌っていたわけではなかったってことだよな? 急に何も理由もなく、忌み嫌う訳がないよな?」
 「理由があると言うの?」
 「人がさ、何かを嫌いになる時って大抵は、裏切られた時だよな? 信用していたのに想像と違ったとかさ。この場合も例外じゃないと思うんだ。一族の長男にして最強の殺し屋、殺し遣いが政府と一族を同時に忌み嫌う理由なんて考えてもみれば一つしかなんだよ。」
 これは、あくまでも九紫戌亥が一族の長男として、という絶対的立場から来る仮定。殺しという行為を生業とする者という絶対的立場から来る仮定。
 九紫枝苑という実の妹まで手にかけてでも成し遂げようとしている企み。
 「九紫一族と政府っていうのは繋がりがあったんじゃないのか?」
 それこそが忠誠を誓う者への裏切りであり、中立を思想とする者への背徳だ。
 「何を言っているの・・・・・・?」
作品名:サイコシリアル[4] 作家名:たし