サイコシリアル[4]
僕は満足してしまった。犯人を確定させたことだけで、満足してしまった。
それは始まりであって、終わりではないのに。
行きあった、その時からが始まりなのに。
終わらせた気になっていた。
何故僕は気付けなかったんだろう。
ただそれだけが螺旋状に思考と化し、脳内を駆け巡っている。
何故、思考しなかったんだろう。何故、早く行動しなかったんだろう。後悔は、体中を支配している。
九紫戌亥は、あれだけのヒントを会話の中で出していたのに。
まるで、勝負を申し込むかのように。
なにも、九紫戌亥の標的は僕だけではないのだ。
殺し屋を憎み、政府を憎み、邪魔する奴を憎み、近付く奴も憎む。
それが、例え誰であっても。
標的は、僕だけじゃない。
それが例え、実の妹であっても標的だ。
作品名:サイコシリアル[4] 作家名:たし