小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

むべやまかぜを 風雲エターナルラブ編1

INDEX|18ページ/30ページ|

次のページ前のページ
 

 「どさくさにまぎれて他人のふんどしで相撲を取り、あわよくばクリエイターとしての名声を得てなりあがろうとする。薄汚い夢想家。反吐が出ます」
 三神は抑揚の無い声で言った。この男……丸山花世とは別ベクトルで破壊神である。丸山花世が真っ赤に燃える熱兵器であるならば、三神と言う男は絶対零度の冷凍攻撃。
 「そういうことを聞いていますから、私は、あなたの能力についても把握しています。丸山さん。シナリオで人を殺せる人間はやはり普通ではないのです」
 「……うーん」
 丸山花世は微妙な顔で呻いた。そんな褒め方というのがあっていいのだろうか。そんな賞賛を喜んで受け入れていいのか。小娘は腕組みをして考え込み、そこで大井弘子が言った。交渉の主は大井弘子であるのだ。丸山花世は今回は副、である。
 「それで、三神さん。いったいどういうシナリオを私達に?」
 「はい。エターナルラブを作ってください」
 「……」
 それはとてもおかしな注文であった。いや、おかしくないのか。
 「えーと……言われなくとも、私ら16CCってところでこれからエターナルラブっていうのを作ることになってて、それはあんたに言われなくても決まっているんだけど」
 妹が言い、さらに姉が続けて言う。
 「どこまでご存知なのかは分かりかねますが、私たちは16CCでエターナルラブの六作目を作ることになっています。そのことは……ご存知ですよね?」
 男は、すぐに応じる。
 「はい。知ってます。その上で、16CCて作られるエターナル6とは別に私のところで別のエターナルを作ってください」
 「……」
 妹は姉のほう見やった。
 ――こいつは……またおかしな雲行きになってきやがったぞ。
 けれど、姉のほうは何も言わない。ただ状況を見守り、相手の言葉の意味を探っている。
 「16CCのエターナルとは違うエターナルを?」
 丸山花世は尋ね、男は頷く。
 「そうです」
 「そんなこと……なんかおかしくねーか?」
 生意気な小娘は言った。男は小娘の非礼をなじったりはしない。
 「繰り返しますが16CCでエターの六作目が作られることは認識しています。ブランもあちらとは業務提携をしたうえで、プレステをはじめとするゲーム機用のゲームの製作権利を供与していますから」