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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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新説御伽草子~桃ねーちゃん!

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「喰らえ梅干し……と見せかけてエナジードレイン!」
 かぐやは桃の腕を掴んで精気を吸い取った。
 すぐに腕を振り払って桃は飛び退いた。
「それがそうかい?」
「ええ、これは初歩中の初歩。かぐやの種族なら誰でもできる技」
「とっておきはないのかい?」
 わざわざ挑発する桃。
 その挑発にかぐやは乗った。
「見せてあげるわ、究極の〈脱兎(だっと)〉をね!」
 脱兎――つまり逃げ足だった。
 かぐやの姿が残像を残して一瞬にして消えた。
 辺りを見回す桃。
 音もせず、姿も見えず。
「喰らえラビットビーム!」
 横から飛んできたビームを桃は爆乳を揺らしながらバク転しながら躱した。
 着地してすかさず天叢雲剣を薙ぎ払った。
 手応えはない。
「こっちだよクソババア!」
 振り向くと大量の梅干しが飛んできた。
 慌てて桃は高く跳躍した。
「クソッ、姿を見せやがれ!」
「ラビットジャップ!」
 背後に迫る気配。
「ラビットビーム&梅干し!」
「させるかっ!」
 大きく円を描いて横に振られた天叢雲剣。
 かぐやのバリアが発動した。それでも押さえきれない。
 空圧に押されたようにかぐやは後方の壁に激しく叩きつけられ、地面に落下してうつぶせになった。
 華麗に着地した桃の爆乳が上下した。
「もうダウンかい?」
「……梅干し」
 かぐやはうつぶせになりながら桃の胸を指差した。
「……ッ!?」
 驚いて桃は自分の胸の谷間に挟まれていた梅干しを払った。だが、すでに時遅し、胸が当事者比較一五〇パーセントくらい下に落ちていた。
 あの張りのあった美しい乳が、垂れパイになってしまったぁぁぁぁ〜。
 あまりのショックに桃は床に四つんばいになった。
「ジパング一の絶世の美女が……」
 心が折れそうだった。
 むしろこんな醜態を晒すくらいなら自分で折ってやりたかった。
 勝ち誇った高笑いをするかぐや。
「おほほほほっ、かぐやのナイスなボディにひれ伏すがいい!」
 今やナイスバディの代名詞はグラマラス美女かぐやのモノになってしまったのか!
 が、かぐやは何か違和感を感じた。
 なんだか目線が急に低くなってしまったような。
「きゃぁぁぁっ!」
 可愛らし声で叫んだかぐやの体が幼女になっていた。
「しまった、エナジーを使いすぎた!」
 だからラビットビームなどの技を出すことに渋っていたのだ。
 かぐやも桃と同じポーズで落ち込んだ。
 そのとき、隠し通路から猿助を背負った鈴鹿が現れた。
「大丈夫ですか桃!」
 ダメだった。まだ落ち込んでいる。
 さらに扉が轟音を立てながら破壊され、カートが部屋の中に突っ込んできた。
 雉丸が部屋の真ん中にある球体を指差した。
「ポチここがエンジンルームだよ……桃さん?」
 そこには落ち込んだ桃がいた。
 ちなみにポチはやっとカートが止まって放心状態。目を見開いたままブルブルしている。
 鈴鹿の背中に乗っていた猿助が自らの意志で床に降り、ヨボヨボの体を震わせながらフルフル桃に近づいていった。
「姉貴の……パフパフ……」
 夢遊病者状態だった。
 すっかり爺さんの顔になってしまった猿助が桃に手を伸ばす。
「ももぉ〜」
 まるでスローモーションのように、猿助の手が猿助の手が……。
「むねぇ〜けつぅ〜ももぉ〜」
 プルプル震える猿助の手が桃に触れようとした瞬間。
「どこ触ろうとしてんだい!」
 爆乳を激しく揺らしながら怒りの鉄拳が決まった!
 バチコーン!
 鼻血を噴きながらぶっ飛ぶ猿助。
 美脚を伸ばして仁王立ちする桃の見事な尻に食い込むフンドシTバック。
 そして、張り裂けんばかりの垂れてない爆乳!
 いつの間にか桃は精気を取り戻していた。
 ついでにぶっ飛ばされた猿助はそのまま部屋の中心にある巨大な球体と衝突。
 かぐやは連続瞬き世界記録に挑戦して、部屋中に響き渡る大声をあげた。
「なんてことしてくれたのよボケッ!!」
 刹那、球体が大爆発を起こした。
 煙が渦巻く室内にスピーカーから合成音が響いた。
「アト一〇秒デらびっとすたーノ全機能ヲ停止シマス――5、4、3……」
 煙の中から笑い声が聞こえた。
「あははは、終わった」
 それはかぐやの笑い声だった。
 さらに続けて桃の声がした。
「終わってないっつーの。これからたっぷりお尻ペンペンしてあげるよ!」
「ちょ……」
「下僕の分際でアタイに逆らうじゃないよ!」
 ドガッ、バキッ、ベギッ、ボキッ!
 そのあとに聞こえたかぐやの悲鳴にこの場にいた誰もが耳を塞いだのだった。