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おやまのポンポコリン
おやまのポンポコリン
novelistID. 129
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ペナルティ・ボックス

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 だが、死神はおばさんの危惧をにこやかに否定した。
「心配しなくてもいいよ。幽霊は悪霊化する恐れがあるんで、始めから禁じられてるんだ。だから君達には“寄り代”の中に入ってもらう事になる」

 そう言って死神が取りだしたのは、いずれも年季が入っていそうな家具や電化製品の写真だった。

「付喪神(つくもがみ)っていう言葉、聞いたことあるよね。古い家具なんかには精霊が宿ると言うでしょ。君達にはその精霊になってもらおうと思うんだ」

 おばさんは安心したようで、古い掃除機を選び、引きこもりの少年は古書を選んだ。
それらはいずれも博物館にあるしろもので、おばさんはペナソニック記念館に、少年は国立図書館に飛ばされて行った。

 「俺はこれにするかなゲヒヒヒヒ・・・」
 オタク青年が選んだのは、アンティック・ドールだった。
 20世紀初頭に作られたフランス人形で、彼はどこかの令嬢と共に時を過ごそうと考えたようだったが、残念・・・。
 飛ばされた先は人形寺の地下倉庫。
 いわくつきの人形達が保管されている恐ろしい場所だったのだ。
 
「おや、どうしたのかな。久美子さんはまだ選べないの?」
 死神が私の顔を覗きこんだ。

 だが、言わせてもらえれば、ここにある写真のどれも嫌だった。

「猫とか、動物はないの?」
 私はダメ元で、物以外のものはないかを尋ねてみた。すると・・・。

「ウーン、あるにはあるけど、あんまりお勧めはできないよ」
 そう言いながら死神は、1枚の写真を取り出したのだった。

 それはテレビでも有名なイケメン俳優の写真だった。