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おやまのポンポコリン
おやまのポンポコリン
novelistID. 129
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ペナルティ・ボックス

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「えーっと、みんながここにいるわけ、わかる?」
 人の良さそうな死神が、穏やかな口調で私達に語りかけた。


「自殺したからだと思います・・・」
 なぜか買い物かごを手にしたおばさんが、オズオズ答えた。

 亡者といっても生前のまま。自殺によって破壊された肉体の痕跡はない。


「僕らは罰を受けるんですか?」
 暗い目で、そう聞き返したのは、いかにも引き籠りふうの少年。
 手にはリスカ(リストカット)の包帯が見て取れた。

「地獄行きかなフヒヒ・・・」
 と、笑ったのは、それをあまり苦にしていないようなオタク青年だった。
 おそらく、こいつは地獄にもラムちゃんみたいな鬼娘がいっぱいいると思ってるんだろう。

 どいつもこいつも胸くそが悪くなる。
 なんだか急に腹が立った私は死神を挑発した。
「まわりくどい事、言ってんじゃないわよ。はやく罰、言ったらどうなの」

 家具も何もない、部屋とすら言えない空間に、緊張が走った。

 しかし死神は、あいかわらず穏やかな口調で・・・、
「まあまあ、そう怒らないで」
 と、私をなだめた。
 
「確か、久美子さんだったよね。校舎の屋上から飛び降りた女子高生か・・・。誤解してるようだから言っとくけど、僕は君達にひどい罰を与える気はないんだ」

 死神は黒いロングコートから手帳を取り出すと、
「ただ君はこの先、六十八年生きることになっていた。それなのに寿命を残して自殺されると、こちらとしても受け入れの準備ができてないのさ。だからその間、どこで過ごすかを決めてもらおうと思ってるだけなんだよ」と、言った。

「だったら、私達は幽霊になるんでしょうか・・・」
 おばさんが泣きそうな声で尋ねた。

 そんなにオロオロすんなら、始めから自殺なんかすんなよ。
 私はますますイラだった。