小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

サイコシリアル [3]

INDEX|9ページ/29ページ|

次のページ前のページ
 

 今のところ、霞ヶ窪の行動は大体僕の予想通りだ。だから僕は、自分のアッパーと霞ヶ窪の斬り上げが衝突するように、そのタイミングに合わせて、コンマ数秒の世界を調整したまでだ。二つの拳が衝突するように。
 結果。
 霞ヶ窪は「いっ」と悲痛な声を一瞬だけ上げ、ナイフを落とした。
 僕は、その落ちたナイフを拾いあげながら言った。
 「案外、僕って体育の成績悪くはないんだよね」
 「少しはやるじゃない」
 「別に、お前に認めてもらう為にやってんじゃねーよ。なんなんだよ、その上から目線は。カニバリズムはそれが所定なの? というか、お前はもうカニバリズムじゃないか。さっき僕の事を『早く殺してあげる』と言っていたしね」
 「・・・・・・・・・・・・」
 霞ヶ窪は、黙った。武器をなくした彼女に為す術はないだろう。
 「いいか、霞ヶ窪。何が『殺してはいない、食っただけ』だ。そんなのは、ただの表現の違いだ。食った=殺したなんだよ。食って殺すのも同じ。殺して食うのも同じ。意味合いが違うだけで・・・・・・お前は、それを戯贈にしようとしたんだよな。戯贈を殺そうとしたんだよな!」
 僕は、激昂し霞ヶ窪の胸倉を掴んだ。掴み、押し上げた。半呼吸困難に陥る程度に首を圧迫して。
作品名:サイコシリアル [3] 作家名:たし