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サイコシリアル [3]

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「『一族』『政府』やら言っていたな」
この解答は、全くもって検討がつかないわけでもない。
少し考えれば分かることだ。ただ分かりたくないだけで、引き合いに出したくないだけで。
「案外記憶力がいいのね、涙雫君」
初めて言うかもしれないが、案外僕は特定の物事に対しては記憶力がいいと自負している。
特定の物事というのは、関心や興味がある物事という意味だ。
要するにそれが理解力に繋がっているだけの話だ。
 そのいい例が、この間のモールス信号とかなのだけれど。
「涙雫君。私はね、さっきも言ったけど犯人を追っているの。そして、そのキーワードが見つかった。予想も想像もしてないキーワードがね」
戯贈が何が言いたいのかは、すぐに理解出来る。
つまりあれだ。
「一族、所謂、九紫一族が関係していると言いたいんだろ?」
考えたくもない話だ。
九紫一族、つまり、九紫枝苑の家系。
僕と戯贈からしたら、最もたる近しい一族。
 「そうよ、涙雫君。永世中立の創設者にして支配者、九紫一族」
 でも、この解答は僕が知っている一族と呼ばれるものを上げただけだ。
 仮定は出来ようとも、断定はできない。だから、確定もない。
 消去法でもなく、選択問題でもない、一択問題。だだし、その一択が僕の知りえる範疇の話なだけあって・・・・・・
 どうでもいいか。
 「でも、まだ九紫一族の仕業と決めつけるのには早い気がするんだよな。一族と言っても一概に九紫一族のみとは言い切れないんだし」
 「一つの可能性に仮定をし、想定して損をすることはないわよ。というよりも、この可能性をより確実にするための材料もあるわ」
 「材料?」
作品名:サイコシリアル [3] 作家名:たし