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サイコシリアル [3]

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「そして、改めて私をよろしく頼むわよ、涙雫君」
そう言われたら終わりだろう。
「こちらこそ、よろしくな」
こう言う他にない。
 僕から、お願いしたいくらいだというのに。
 なんというか、僕はもう、戯贈がいないとダメになってしまっている。曖昧な表現なのだろうけど、これが一番適切な表現なのだろう。戯贈がいないとダメ、そして、嫌だ。
 僕は、これまで友人が多いと言う訳ではなった。というよりも、高校生になってからは、出来ていないという方が正しいだろう。周りの同級生が異端過ぎて、近寄り難かった。今、考えてみればそんなの言い訳に過ぎない。周りが皆、異端ということは、裏を返せば周りの同級生からしたら、僕が異端だったのだ。友好的ではなく、内向的というか、閉鎖的な人間なら尚更だ。そして、気味が悪いくらいに、予想し、想定し、理解をするのなら、尚更気持ちが悪いだろう。僕が異端なのだ。
戯れ言なのだろうけど、そういうことだ。
何が言いたいのかというと、高校生活に置いて、ここまで心を許せたのは戯贈が初めてなのだ。忘れそうになっていた感情、そして干渉。
恋なのか、と問われれば、そうなのかもしれないし、違うのかもしれない。
正直言えば、分からない。
「何を考えているの、涙雫君」
戯贈に声をかけられ、僕は自分が世界から半トリップしていた所に気がついた。
何を本気で考えているのだろう、らしくもない。戯贈が戯贈なら、それでいい。
作品名:サイコシリアル [3] 作家名:たし