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サイコシリアル [3]

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「おはよう、涙雫君」
戯贈に、そう言われ僕は目を覚ました。
枕元に置いてあるデジタル時計は『AM:3:14』と表示してあるのが見えた。
何を考えているんだろう、戯贈は。
「なんだよ、戯贈。朝のあいさつには時間が早すぎないか?」
こちらと一端の高校生だ。さすがに、睡魔には勝てない。
「寝ぼけている暇はないでしょう? 物語は、語らずには始まらないのよ。そして、事態は常に展開を迎えているの」
だから、何を・・・・・・
あ、思い出してきた。
確か、戯贈は霞ヶ窪戦の時に意識を失ったままだったんだ。意識を失うというよりも、寝入るという表現に近い気もするが、この際どうでもいい。
「体調、大丈夫か?」
「大丈夫よ。何も変わらないし、変わり映えもしていないわ。しかし、涙雫君。未だに寝ぼけているようね。水風呂にでも入って来たらどうなの?」
酷い仕打ちだ。
戯贈の為に、あんなに体を貼ったのに。それこそ、命をとしてまで。
実際問題、頼まれてはいないのだけれど。
「まぁ、涙雫君の今回の頑張りを認めて、そこまでは言わないわ。ひとまず、ありがとう。感謝しているのよ。守ってくれて。涙雫君がいないと何も出来ない、こんな哀れな私を助けてくれて」
前言撤回。
戯贈は、しっかりと僕に感謝してくれていた。
「僕がいないと何も出来ないなら、尚更助ける意義があるだろうな。権利じゃなくて意義がな」
寝起きであるのに、我ながら臭いセリフが出たもんだ。
しかし、僕の最近の分析によれば、こういったセリフを言うとほぼ絶対と言ってもいいまでに、
「・・・・・・それもそうね」
戯贈は照れる。
作品名:サイコシリアル [3] 作家名:たし