眠れない夜を越えて
あの日以来、公園に行くのをやめた。
夜の居場所が私にはなかった。
あきらめて、ベッドで眠る努力をしてみる。睡眠薬も飲んだから大丈夫。
お母さんが毎日干してくれている布団に入った。
「・・・」
「ダメだ…」
眠れない。
時計を見ると、午前2時をまわっていた。
私は出かけられる格好に着替えて、家を出る。
今まで見つけた眠れる場所を思い浮かべてみた。
遠い公園、土管公園、猫の公園…
何度目かの無気力に襲われる。
夜がこなければいいのに・・・
普通に眠れたらいいのに・・・
作品名:眠れない夜を越えて 作家名:ゆまり