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D.o.A. ep.8~16

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「最初の説明の時に出した地図、ですね」
トータスのみを描いた地図には、ライルらが担当する区域にのみ紅い丸で囲まれている。
町が一つ、洞窟が一つ。
大したことのない範囲であるが、この中でもう、幾度も戦闘を繰り返してきた。
最初にこの地図を広げられた時より、格段に腕を上げたと、ライルは月日を実感する。
胸ポケットより桃色の色鉛筆を取り出したユーラムは、その先である場所をぐるりと囲んだ。洞窟だった。
「ここの近辺に、魔物がにわかに増えて凶暴化してんのよ」
この洞窟は担当区域のうちに入っているが、深い森があるため、わざわざ近付いたことはない。人が住んでいるわけではないからだ。
「そいつらを倒してって話?」
「うーん、ハ・ズ・レ」
リズムを打つように、色鉛筆の先で地図をたたく。
「………」
ティルバルトは、なぜかそれを聞いた途端、呆然とした表情になった。

「これを見て頂戴」
地図の上にひらりと一枚投げ出された。写真である。青い、美しい鉱石が写っている。

「これヴァリメタルっていって、その洞窟でだけにある魔金属で、ある特性があってね。
で、目撃者がいうに、魔物は、洞窟の中からわいてきてたっていうのよ。到底入れないから、逃げ帰ってきたってね」
どうでもいいが―――――目撃者とは森林の中の洞窟なんぞに、いったい何の用があったのだろうか。

「…なぜだ?…ありえない」

ティルバルトは、そんなことをぽつりと呟いた。


作品名:D.o.A. ep.8~16 作家名:har