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『コードブレイン』

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「ここは…。」俺は、一人、その真っ暗な公園に居た。着ている服はさっき幸田とこの公園に来たときのままだ「夢、なのか?」そう、リアルに、肌寒い風が吹く。そして、そんな中でも、一際大きな、風が吹いた時、 俺は、非日常を、見た。                                              「うぁー!!」突然視界が暗くなる。いや、元々暗かったのだが、それが、もう目を閉じたように暗く…。そして体が動かなくなった。                  「くっ!、はなっ!せ!!」いくらもがいても無意味、まったく動かない。そう、幸田がいった話のとおり、俺は、影に自由を奪われた。                 「☆△□×○…」影がなにか語りかける。うまく聞き取れなくて俺は、その、人かもわからない、影に話かけてみる。                         「お前は、何なんだ?」                                                                   「コード……」今度は、少し聞き取れた。「コード?」その声は、確かに人の物だった。                                      「お前の、コード…」今度は、うめくように言葉を発する『それ』は、俺の頭に触れる。                                      触れられた瞬間、頭の中に、たくさんの数字が駆け巡る。そして、駆け巡り、何かがとられていくのを感じる。「コード……お前のコードを…」それは、今度ははっきりとした声で、こう言った。                                                                    「お前の、コード(暗号)を、よこせ、そうすれば、お前に取り付く苦しみを、消してやろう。」                                  「俺にっ、取りつく、取り付く苦しみだと?」コード?コイツ何を言っているんだ?                                        「そう、お前は、苦しんでいる。大切な物を奪われて、そして心に中では、恨んでいる。あの事件の事を」  俺が、恨んでいる。なにを?あの事件と言うのはおそらく『Science explosion』…科学研究所爆発事件 なんだっただろうか、確か八年前、俺の父朝凪 真二は(あさなぎしんじ)国立科学研究所で働いていた。どんな事をしていたかは、知らないが一度、研究所に行くと、それから一ヶ月は、帰ってこない、帰ってきてもまた。すぐ研究所に呼ばれて行ってしまう。まさに、人生が仕事的な人だったのだそんな父だったが、八年前の俺は、仕事熱心な父が格好良く見えたらしく、とても好きだった。       しかし、八年前の夏、その研究所で実験の失敗によるの大爆発が起きた。俺の父は、その爆発に巻き込まれて…「そして、お前は、その苦しみから逃げたくてたまらないんだ、違うか?」                 「黙れ!!この苦しみを消すことなんて、できやしない!」そうだ、この感情を消すことができるはずがない。 「お前は、何も知らない、君の父が死んだ本当の理由を」まるで、すべてを見透かした様な目で見てくる…。 
「本当の…理由……ばっばかなっ!俺の父は、事故で死んだんだ。それ以外に理由なんてない!!」感情が燃え上がる。だがまるで水に冷やされたかのようにその感情はすぐに消えていく。自分が今どう言う状況に居るのか、これからどうなるのか、もう冷静で居られるはずがない。         「…お前が知っているのは、偽りのみだ、そして、お前は思っている。本当に事故だったのか、と」      「んっ!」俺の自由を奪う物に力が入る。
「お前は、知っているのだろ~?Science explosionは、事故などでわなく、力を持つ何者かによって引き起こされた。ものだと。」                   「力を持つなにかぁ?」(力…いったい何があの事件に隠されているって言うんだ?)知りたい、いったい何が「くっ!うぁ」突然、影から開放された。        「誰だ!」影が、怒鳴る。その声からは、怒りしか感じられない。                     「駄目だなー。人のコードを勝手に奪っちゃー。」陽気な声と共に「シャロ、さん?」そう、そこには、やはり帽子を深くかぶったClock shopの店長シャロ・ヴァイアロスがいた(何故シャロさんが、俺の夢の中に…)考えてみると、これは本当に夢なのだろうか?今までにも現実じゃないかと目を疑う夢は、毎晩見てきた。だが、今度の夢は違う。リアルに痛みを感じ、リアルに感情が燃え上がる。                     「なんなんだよ、いったい…」ため息と共に、そんな言葉が出た。それを見てシャロが鼻で笑う。       「なんなんだよ、いったい…、説明しよう、コレは、『夢』、でもただの夢より将来性がない。」       「シュ!!」シャロが言葉を言い終えた瞬間、短いナイフが勢い良く飛んできた。               だが、そのナイフは、シャロの目の前で、まるでスリープしたゲームのように止まり、そしてそのまま地面に突き刺さる。そしてそれを、片手でヒョイっと持ち上げて言う。「この夢でおきることは、すべて現実…、つまり今この夢の中で死ねば、朝凪 竜という人物は現実でも死ぬ」
作品名:『コードブレイン』 作家名:銀の福音