桃色伝説(仮)
村人達のうちの一人の男性が振り返り零音を見た。
「あぁ、零音。やっと来てくれたか」
男性は零音を見ていたが、円を作っている村人の中心をさした。
「コイツなんだが……」
「……男、ですね。刀を持っている男」
零音はしゃがみ込み、倒れている少年を見た。
「……皆さん、ひとまずここは解散してください。この男は私の家に連れて行きますから」
「しかし、もしコイツが鬼に繋がっている奴だったら……」
「その時は……」
零音は立ち上がりながらも倒れている短い黒髪の少年を見下ろした。
「……まぁ、どうにかします」