きらめきの風
いつからだろうか。詩織が中学校に入学したころは、姉を尊敬していた。
同じ小学校からこの中学に上がったのは10人ほどしかいなかった。友達と呼べる子はみんな違う中学校に行ってしまった。
一年生の教室に、何人も3年生が「香織の妹はどれだ~」と見物に来ていた。
友達のいない寂しさから、部活は姉と一緒の吹奏楽部に入部。部活内での友人もできて、1年間はそれなりに楽しい中学校生活だった。
2年になり、姉が卒業したあたりから様子が変わった。
部活内では「お姉さんがいたから希望の楽器の担当になれた。初心者で下手なくせに。」などと妬みに近いいじめを受けるようになった。もちろん変わらずに仲良くしてくれた友人もいたが、一番仲の良いと思っていた友人からそれを言われたことが大きなショックだった。
クラスでも浮いた存在だった。もともとさっぱりしすぎな性格があだとなり、また、他のクラスの吹奏楽部のメンバーと一緒にいることが多かったため、クラス内のグループに入り損ねてしまったからだ。偶然だろうが、同じクラスに吹奏楽部の生徒が詩織しかいなかった。中学2,3年はクラス替えがなく、唯一の友達である演劇部の由美以外とはあまりしゃべらなかった。クラスの中心的人
物の男子から「気持ちわるい、嫌い」と言われ、クラスじゅうの男子からはほぼ無視状態。まあ、無視される以外のいじめがなかっただけましだ、女子は話してくれるし。と詩織は思っていた。
同じ小学校からこの中学に上がったのは10人ほどしかいなかった。友達と呼べる子はみんな違う中学校に行ってしまった。
一年生の教室に、何人も3年生が「香織の妹はどれだ~」と見物に来ていた。
友達のいない寂しさから、部活は姉と一緒の吹奏楽部に入部。部活内での友人もできて、1年間はそれなりに楽しい中学校生活だった。
2年になり、姉が卒業したあたりから様子が変わった。
部活内では「お姉さんがいたから希望の楽器の担当になれた。初心者で下手なくせに。」などと妬みに近いいじめを受けるようになった。もちろん変わらずに仲良くしてくれた友人もいたが、一番仲の良いと思っていた友人からそれを言われたことが大きなショックだった。
クラスでも浮いた存在だった。もともとさっぱりしすぎな性格があだとなり、また、他のクラスの吹奏楽部のメンバーと一緒にいることが多かったため、クラス内のグループに入り損ねてしまったからだ。偶然だろうが、同じクラスに吹奏楽部の生徒が詩織しかいなかった。中学2,3年はクラス替えがなく、唯一の友達である演劇部の由美以外とはあまりしゃべらなかった。クラスの中心的人
物の男子から「気持ちわるい、嫌い」と言われ、クラスじゅうの男子からはほぼ無視状態。まあ、無視される以外のいじめがなかっただけましだ、女子は話してくれるし。と詩織は思っていた。