きらめきの風
「それじゃ、そろそろ」
「え、柏木さん、帰るんですか?私、帰りますよ」
「だって、俺ら、別に付き合ってるわけじゃないし。な、美奈子。」
「うん。実は。」
二人はとても気が合っているように見えて、付き合っている恋人同士のような落ち着きがあった。実はそんな二人は詩織のあこがれでもあったのだ。
「シオ、泊っていけば~?」
美奈子が冗談交じりに言う。友達の家にお泊まりなんて、したことがないので想像しただけで楽しそうだった。
「…あ、だめ。想像しちゃった。悲しくなるから帰るね。」
そう言って、柏木と詩織はそろってマンションを出た。
エントランスを出て柏木に軽く手を振ると、家に向かった。
家では母親が食事を作っていた。姉は勉強中だった。
「ただいま」
一言だけ挨拶をして、部屋に向かう。普段父親は帰りが遅い時が多く、たまに早く帰るとバイト先に迎えに来るようなことをしでかすのだ。
詩織は中学生の時進学塾に通い、そこそこの進学校に在籍していた。姉は塾には通わなかったのに詩織の高校より2ランクくらい上の高校で、いま国立大学を受験するために勉強している。
雲泥の差だった。
それでも同じバイトの仲間たちは下から数えたほうが良い程度の高校。勉強もせず夜遊びばかりしている。
詩織はもっとみんなと話をしたり、みんなのように夜カラオケやドライブに行ってみたかった。
はたから見たら育ちがよい。それでいてちょっと不良にあこがれる、典型的な例だった。
「え、柏木さん、帰るんですか?私、帰りますよ」
「だって、俺ら、別に付き合ってるわけじゃないし。な、美奈子。」
「うん。実は。」
二人はとても気が合っているように見えて、付き合っている恋人同士のような落ち着きがあった。実はそんな二人は詩織のあこがれでもあったのだ。
「シオ、泊っていけば~?」
美奈子が冗談交じりに言う。友達の家にお泊まりなんて、したことがないので想像しただけで楽しそうだった。
「…あ、だめ。想像しちゃった。悲しくなるから帰るね。」
そう言って、柏木と詩織はそろってマンションを出た。
エントランスを出て柏木に軽く手を振ると、家に向かった。
家では母親が食事を作っていた。姉は勉強中だった。
「ただいま」
一言だけ挨拶をして、部屋に向かう。普段父親は帰りが遅い時が多く、たまに早く帰るとバイト先に迎えに来るようなことをしでかすのだ。
詩織は中学生の時進学塾に通い、そこそこの進学校に在籍していた。姉は塾には通わなかったのに詩織の高校より2ランクくらい上の高校で、いま国立大学を受験するために勉強している。
雲泥の差だった。
それでも同じバイトの仲間たちは下から数えたほうが良い程度の高校。勉強もせず夜遊びばかりしている。
詩織はもっとみんなと話をしたり、みんなのように夜カラオケやドライブに行ってみたかった。
はたから見たら育ちがよい。それでいてちょっと不良にあこがれる、典型的な例だった。