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ばーさーかー・ぷりんせす! 第2話

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2.

「ようございましたな。頼もしい正義の味方がおりまして。」
いつもの通りたんたんとお茶の用意をしつつ、ギャリソンが言う。皆がゴブリンか
ら逃げ回っていた時、こっそり門に辿り着き、応援を頼んでいたのだ。
「ふん、なにが青のマゾウシでえ、気障でいけすかねぇヤツ。な〜にが『君、剣の
扱いが上手だね。僕と一緒に正義のために戦わないか?』…だ!」
ラッキーはすねっぱなしである。
「セフィロスさんが頑張っても、何人かはいつもゴブリンたちにさらわれちゃうん
だって。町のひと、みんな諦めているみたい。」
マリアが言う。
「皆さん、ご自分たちで抵抗しよう、とは思わないんですね〜。は〜」
ルーシーがため息をつく。
「まずはお茶でございます」
ギャリソンは淡々と変わらなかった。


 * * * * *


「へっへっへー。今夜の姫のお姿は、と?」

 ラッキーの日課である、就寝前の姫の寝姿の確認。今日は町の人の善意で宿に泊
まった一行だが、彼には関係ない。姫の部屋の前まで忍び入る。今夜はまだ起きて
いる様子。しかも爺や付きだ。
「姫、少しラッキーに冷たすぎるのではないですかな?」
「だって…あのケダモノがいつもわたくしの気を病ませるのに…」
「品行方正ではありませんが、あの男も無償で姫の手伝いをしておるのです。民に
平等に接せよ、王様もよく仰っていたかと。
それとセフィロス殿がゴブリン撃退を姫には任せず、いつも通り御自分で、言って
おられます」
フロリーナがため息をつく。
「下郎に比べて、なんて凛々しいのかしら…。昔、お会いした隣国…マルエッツの
王子そっくりなの、あのかた…」
「存じております」
「町の人々は守りますわ。わたくしの使命ですもの。でも…セフィロス様みたいな
殿方がいらっしゃるなら、わたくしもう戦いません。…あのような素敵なかたに魔
鎧で戦う姿を見られたら、もう、立ち直れないかもしれません…。」
「姫…」
ギャリソンとの会話の様子を、ラッキーは陰で見守っていた。