サイコシリアル [2]
だけど、僕には決まった思想がない。
だから、戯贈が道を間違えそうになったら正してあげればいいとも思った。
なんやかんや戯れ言を捲し立てようと、殺し屋には違いないのだけれど。
警察でも正義の味方でもない、殺し屋。
けれども、しょうがないのだ。戯贈に惹かれてしまっているのだから。恋い焦
がれている訳ではないけど、確実に、魅せられているのだから。
こういう考えに辿り着いた僕も異常ではあると思う。
だから僕は、それも踏まえて、珍しく微笑んでいる目の前の女の子に言った。
「体、うまく動かせるといいな」
作品名:サイコシリアル [2] 作家名:たし