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サイコシリアル [2]

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「で、霞ヶ窪さんを尾行するという訳?」
昼休み。
いつもの如く、中庭で弁当を食べながら戯贈は言った。
「美人ばかりを狙う犯人が霞ヶ窪を狙わない訳がないだろ?」
「なきにしもあらず、というだけね。確かに霞ヶ窪さんは綺麗な人だけれども、そしたら何故初めから霞ヶ窪さんを狙わなかったのかしら?」
「それは・・・・・・」
分からない、というよりも結論が見えてこない。
何故、霞ヶ窪を狙わないか━━考えれば、最高のものは最後に取っておく、と
か、近場から狙っている、とか様々理由を挙げることが出来るが、断定は出来な
い。
「今、涙雫君の考えているように、様々な理由があるのは間違いないわ。ゼロではないっていうだけでね。ゼロか百で聞かれたら、限りなく百点に近い不正解といところかしら。単純に根拠がないからなのだけれど。それに、無駄足を踏んでいる間に他の人間が殺される可能性もあるのよ」
戯贈の言う通り、霞ヶ窪が狙われる━━という予想が外れれば、その間に他の人間が死ぬことになる。何処かにいる、まだ見ぬ美人が死ぬことになる。
霞ヶ窪が狙われる、ということは仮定なのだけど、これは確定だ。決まっていること。決められたこと。大言壮語に言ってしまえば運命だ。
だけど俺は、
「あいにく、仮定を確定に変えるのが趣味なんだよ」
霞ヶ窪が狙われる、ということに賭ける。
「そ。悪くない趣味ね。けど、最初に一つ断っておくわ」
「どうした?」
何となく予想は出来るけど。
作品名:サイコシリアル [2] 作家名:たし