サイコシリアル [2]
「私は行動力が欠落しているから、尾行自体は手伝えないわよ」
「それは分かってるよ。その為の体、所謂、僕じゃないか」
「あら、男らしいわね。でも、尾行なんて出来るの? 尾行というものはアニメやドラマと違って上手くいくものじゃないわ。それなりの経験値と技術を要するわよ」
「最初から出来ないと決め込んだら何も始まらないだろ。始まりもしないから終わりもしないし、展開もしない。もしバレたら、僕は霞ヶ窪のストーカーだと言い張るよ。もしくは親衛隊隊長」
「そこまで男らしいと気味が悪いわね。まぁいいわ。何か収穫を得られたら報告してちょうだい」
「ラジャーだ、戯贈」
こうして、僕の一世一代のストーキング行為が幕を開けたのだった。
作品名:サイコシリアル [2] 作家名:たし