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サイコシリアル [2]

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 いつものように、妹に見送られ僕は家を出た。
 住み込み中の戯贈と言えば、何やら学校で用事があるらしく先に家を出ていたので、今日は久方ぶりの一人登校だ。
 そして、やはり考えるのは、依頼の内容。
対象の特定について。
早く、対象を特定しなければ殺人は止まらないし、止めることもできない。
罪のない人間が殺されていくのは、勘弁願いたい。僕と深いかかわりがなくても、やはり身近で人が死んでいくのは、相当に気分が悪い。
「おはようございます。涙雫先輩」
 ふいに僕の真後ろから声が掛けられた。
 この敬語感、背後から声を掛ける習性。
「お前と話していると遅刻フラグが立ちそうだから先に行く」
 僕は、ある程度、というよりも絶対的自信を持って人物を特定したので、無視を決め込むことにした。
「返答したことで、無視という表現は間違っていると思いますよ」
 皆さんもお分かりだろう。
 「朝から面倒なんだよ、九紫」
 そう九紫枝苑だ。
 「男子のツンデレは、結構気持ち悪いのでやめてください。私個人としては、あまり需要がないと思いますよ」
 「供給もしてねーよ!」
 まずい、乗っかってしまった。
 僕としたことが、思わず後ろを振り向きながら全力全開の突っ込みを入れてしまった。
 そこには、してやったり、と顔に書いてある程のドヤ顔を決めた九紫がいた。
 美少女のドヤ顔は、やはり美少女だったのは言うまでもない。
作品名:サイコシリアル [2] 作家名:たし