サイコシリアル [2]
「滅茶苦茶━━それが私のキャラ設定です」
「成程ね!」
今、凄くすっきりした。
物凄く納得した。
確かに滅茶苦茶なキャラ設定だ。
「無茶苦茶とも言いますね。どちらがいいでしょうか?」
「僕にキャラ設定の相談をするな!」
「相談というよりも強要ですね」
「お前には教養が必要だ!」
「うまいです!」
「うまかねーよ!」
「うまか棒?」
「うまい棒だ!」
なんなんだ。
戯贈といい、九紫といい、何故僕の周りの人間たちは会話が進まないんだ。
必ずと言っていいほど逸れる。
僕が乗ってしまうから悪いんだろうか。
一つ断わっておきたいのだけれど、僕は元々突っ込みキャラではない。日に日に突っ込みを入れる回数が増えているのだ。
「ぶっ込み系男子というやつですか・・・・・・卑猥なキャラですね、涙雫先輩」
「一つ言っておくが僕は、ぶっ込む勇気も度胸もない、ちっぽけな童貞野郎だよ」
「私は、ぶっ込ま」
「やめろおおぉぉぉぉぉぉぉおおおおおお!」
それだけは・・・・・・それだけは言ってはならない。
開けてはいけないパンドラの箱と一緒なんだ。
美少女が変態って・・・・・・あれ? ある意味滅茶苦茶・・・・・・
「不埒な方ですね」
「それは、お前だ九紫!」
「そう言えば涙雫先輩。私の女子力はレベルで換算すると何レベルくらいでしょうか」
「殺し屋の時点でマイナスは決定だな」
というより、なんなのこの状況。
路肩で美少女と内容のない話に明け暮れている高校生兼殺し屋って。
と言いつつこの後、約一時間に及び九紫と内容のない話で大盛り上がりした僕であった。
作品名:サイコシリアル [2] 作家名:たし