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ひとつの桜の花ひとつ

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直美も食器を片付けていたから、コンロをテーブルの上からはずして、部屋の隅にだった。
「洗物は私やりますから、直美さんはそっちに座ってていいですから・・」
シンクの前に立ちはだかって、どうにも自分でって感じの口調で夕子がだった。
「では、お願いね、おねーさんは、休憩っと・・」
「はぃ まかせてください、直美おねーさん」
「おねーさんだってさ・・」
うれしそうな顔で直美が隣に座りこんで来た。
「お腹いっぱいだぁー もう、このまま寝ちゃうかもー」
座り込んだら、頭を倒してこっちにだった。
「あっー いいなぁー まったくもうー」
振り返って 夕子が恥ずかしそうに顔をピンクにだった。
直美が笑顔でそれにこたえて、俺は残ったビールを一気に飲んで笑っていた。


作品名:ひとつの桜の花ひとつ 作家名:森脇劉生