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名誉毀損の認定方法

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考察
プロバイダー責任の範囲
開示義務について
プロバイダー責任制限法4条1項では、権利侵害が明らかであることが要求されている。(24)しかし、この「明らか」の基準がないのに関わらず、プロバイダーの負担は重い。万が一誤って名誉毀損が存在するものと判断して開示した場合の電気通信事業法の刑罰に対し免責がないということになれば、開示に対し抑制基調になる。プロバイダーの責任が重く、曖昧な基準しかないのは問題である。この「明らか」の基準を明らかにするべきである。
削除義務について
削除義務は、作為義務が生じるのを「発言が書き込まれていることを具体的に知ったと認められる場合」と限定している。ここでは、「知ることができたはずであった」場合は含められていないし、ましてや、管理者にすべての発言を常時監視するよう要求もしていない。しかし、それ自体は、プロバイダーだけの責任であって、なされた発言そのものの名誉毀損を構成するかという問題とは関係ない。ここでは、なされた発言が名誉毀損を構成するかという判断が必要であり、その上で管理者が知りえたかどうかという議論をすべきである。
プロバイダーの対処方法
 開示や削除の問題を解決するにしても、「明らか」の基準を確立する事が重要である。その上で、プロバイダーは、掲示板上での問題を対抗言論による自力救済を求め、当事者間で解決出来ない様であれば、その違法性を認識したプロバイダーにより、なされた発言の削除や、被害者からの開示請求が正当なものであるかを判断すべきである。
作品名:名誉毀損の認定方法 作家名:浅日一