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陰陽戦記TAKERU 後編

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 騒ぎになるといけないので俺達は朱雀の力で俺の家に戻ってきた。
 そして救急箱を持ってきて傷の手当てをした。学も玄武の力で意識を取り戻しある程度回復できた。
 普通なら病院に行った方が良いんだけどどうやって説明していいか分からなかった。
 今布団をしいて隣りの部屋で休んでいる。加奈葉も付きっ切りで見てる。
「四凶、まさかあんな奴らがいたなんて……」
 俺は舌打ちをすると美和さんに尋ねる。
「美和さん、あいつらいったい何々だ?」
 だが美和さんは首を横に振った。
「分かりません、ごめんなさい……」
 美和さんも今回の敗北が事が答えたんだろう、両肩を落として沈んでいた。
 すると朱雀が出てきて言った。
『美和を責めないで、私達も知らなかったのよ。』
「べ、別に責めてねぇよ、ただ……」
 あいつら妙な事を言ってたな、
「暗黒の化身より生まれた、って……」
『ああ、そうだな』
 麒麟も出てきて会話に加わる。
『真っ先に考え付くのは暗黒天帝だ。だけどそれにしても謎が多すぎる』
「桐生さんがいればなぁ……」
 桐生さんには後で聞くとして、今は俺達で話し合おう。
「そもそも四凶って何だ? お前達みたいなものか?」
『おいおい少年君、僕達と奴等を同じにしないでくれ』
『いえ、案外そうかもしれませんね……』
『おい、青龍……』
 玄武に構わず青龍は続ける。
『陽と陰、光と闇が似て異なるように、我々が聖獣なら奴等はさしずめ魔獣と言った所でしょう。』
「魔獣か……」
「とんでもない敵だって事は間違いないですね……」
「それよりこれからどうするの? あいつらをどうやったら倒せるの?」
 香穂ちゃんの言うとおりだ。
 俺の感だが少なくとも渾沌って奴の強さは暗黒天帝に匹敵する、
 せめて他の奴等は違うよう願いたいが同じと考えてもいいだろう。
「せめて奴等の正体が分かればなぁ……」
「それなら分かる……」
 すると襖が開いて加奈葉に支えられながら学が姿を出した。
「学、休んでなくて平気なのか?」
「ああ、なんとかな…… それより四凶の事だ。」
 学は語った。
 四凶とは中国に伝わる四人の悪の神だと言う、ちょっと待て、ここは日本だぞ?
『俺達の生まれ故郷は大陸だ。昔海を渡って和の国に来たんだ。』
『勘違いしないでくださいね、昔と言っても今から昔じゃなくて我々がいた平安京から昔と言う意味です。』
『少年君、勉強しただろ。』
 悪かったな、どうせ歴史は苦手だよ……
「そいつらが日本に来たって事ですか?」
「と言うより来てたんじゃないの? 封印したのは聖獣だって言ってたし……」
『だから香穂、僕達は知らないって……』
「……だけど分かった事もある。奴等の狙いが俺達だって事だ」
 今までの事件は肩慣らしも兼ねてたんだろうな、運がよければ俺達が出て来て戦う、そう考えて間違いない。
 そして奴等はまた来る、あいつらをほおって置いたらとんでもない事になる。そして戦えるのは俺達しかいない!
「何が何でもやるしかない、俺達がやるしかないんだ」
 俺は皆を見ると頷いた。
 美和さん達も聖獣達も戦いに負けて落ち込んではいるけど戦う気はあるみたいだ。
「当然ですよ、落ち込んでる暇はないですよ」
「泣いてる暇があるなら前に進む、それが私達だよ」
「私も…… 戦いますよ」
 どうやら余計な心配いらないみたいだな、
「私達もいる事を忘れないでね」
「ああ、できる限りの事はする」
 加奈葉と学も協力してくれる、
 そうだ。俺達は挫けてなんかいられない、四凶だろうが何だろうが必ず倒す。俺達は決意を新たに決めた。