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陰陽戦記TAKERU 後編

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『そこまでだ。渾沌よ。』
 今度は何だ?
 俺は周囲を見回すと破壊された観覧車の上に3つの影があった。
 しかもそれは人間じゃなかった。
『グルル…… トウテツ、キュウキ、トウコツ、』
 そいつ等の名前か? って言うか仲間がいたのか?
『遊び過ぎたな渾沌よ、我々はまだ完全に復活していない、それなのに力を使い果たすとは……』
『まるで計画性がありませんね』
『……下らねぇ』
 3人は飽きれる、
 すると渾沌と呼ばれたそいつは口の橋を上に上げて笑い出した。
『グフフフ……』
 普通なら怒る所じゃ無いかと思うがそんな場合じゃ無い、
 俺達は負傷、こいつに攻撃は効かない、それに仲間の登場……
 絶体絶命なんて言葉は生ぬるい、それを通り越して圧倒的な絶望だ。
 今襲われたらやられる……
『だがしかし、これが我々を封印した聖獣とは……』
『何っ?』
 すると麒麟や他の聖獣が武器化を止めて具現化する。
『どう言う意味だ? 俺はお前なんか知らない!』
『って言うか初対面よ!』
 朱雀の言葉に連中は互いの顔を見合わせる、
『フン、すでに倒した奴の事など忘れたか…… まぁいい、時も変わり人の質も落ちたと言う事か』
『話になりませんね……』
『この程度ならいつでも倒せる、オレ達が手を降すまでも無くな』
「黙りやがれ!」
 俺は痛みの走る体立ち上がる、だが立つのがやっとで何かできる訳じゃ無い、
「さっきから聞いてりゃ言いたい放題言いやがって…… テメェら一体何者だ?」
 そいつらは一間置いて口を開いた。
『……そうだな、時間は無いが名前くらいは教えて置こう。我等は四凶、暗黒より生まれし者』
「し、四凶?」
 そして左から順番に名乗りを挙げる、
 最初は全身が黒い体毛に覆われ、4本の羊の様な足に頭から牛のような角が生えた赤い瞳に耳元まで裂けた口の怪物は一歩前に出る。
『我が名は饕餮(とうてつ)、今回は運が良かったな』
 次に背中に翼が生えた虎のような怪物が言う。
『私は窮奇(きゅうき)、束の間の平和を楽むのですね』
 目の下に三本の爪のような痣、下の唇から猪のような鋭い牙が生えた鬼のような顔、首から下が金色の体毛に覆われた怪物が忌々しそうに喋る。
『俺は檮杌(とうこつ)、今度会ったらズタズタにしてやるぜ。覚悟しておけ』
 そして最後、つまり俺達と戦った奴が再び口を開いた。
『こんとん、混沌? 渾沌!』
 一番訳が分からねぇ野郎だ。
 すると饕餮が自分の体を見る、全身から黒い粒子が出てきた。
『今日はここまでだな、帰るぞ渾沌』
『グフフフ……』
 すると四凶達は消えしまった。
 周囲には静寂が訪れて残されたのは無惨に破壊された遊園地と苦い敗北感だけだった。