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陰陽戦記TAKERU 後編

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 俺は美和さんを連れて家に戻った。
 加奈葉、拓朗、香穂ちゃんも連絡を受け家に着ていた。
 今加奈葉が別の部屋で美和さんを布団に寝かしつけた。
「幸いどこも怪我はしてないみたいだ」
 俺が加奈葉から聞いた事を説明する、
「だからって奴が何もしてないとは限らない、きっと美和さんに何かしたはずだ」
 俺もそうだと思う、だとしたらあの野郎許せねぇ!
『落ち着け武、それは俺達が見守っていれば済む事だ』
『そうよ、幸い私との契約も繋がってる、少なくとも今は……』
「きゃああーーーーっ!」
 美和さんの悲鳴だった。
 俺は襖を開く、そこでは不思議な光景が広がっていた。
「ちょっと美和さんっ、落ち着いて!」
 部屋の隅では壁に寄り添って怯えていた。
 いつもは気丈な美和さんがまるで子供みたいだった。
「加奈葉、いったいどうした?」
 俺が尋ねる、
「分からない、目を覚ましたら凄く暴れて……」
「あのさ、美和さん、確かに加奈葉はおっかねぇけど別に食いついたりは……」
「いやぁあっ! 来ないでぇっ!」
 美和さんは頭を抱えて泣き出してしまった。
 一体何だってんだ?
「ちょ、あのな、美和さ……」
『待ってくれ少年君、』
「白虎?」
 香穂ちゃんの肩から白虎が降りると美和さんの前にやって来る、
『美和っ!』
 白虎が叫ぶと美和さんが白虎を見る、
「あっ……」
 途端美和さんは意識を失ってその場に倒れた。 
「美和さんっ? お前何を?」
『眠らせただけだよ、ちょっと確めたい事があってね』
 白虎は美和さんに頭に手を乗せる、
『……やっぱり、記憶を失ってる』
「ええっ?」
 白虎の話では美和さんは記憶がごっそり抜け落ちていると言う、
『全てって訳じゃ無い、ただ少年君達と会ってからの事や僕達と出会う前の記憶がごっそりとなくなってる…… 今あるのは香穂ぐらいの時の記憶だけだ』
 要するに幼年期からの記憶が無くなってる事になる、
「やっぱあの野郎か、八つ裂きにしてやる!」
 俺は鬼斬り丸を手に持って立ち上がるが拓朗と学が俺を抑えた。
「ちょっ、先輩! 今夜ですよ!」
「落ち着け!」
「離せ! あの野郎、ぶっ殺さなきゃ気が済まねぇ!」
『少年君、落ち着きたまえ!』
『拓朗と学の言う通りだ。いつまでも奴があそこにいるとは思えない』
『それに奴を倒しても美和の記憶が元に戻ると言う保障は無いわよ!』
『美和の事になると我を忘れるな、武氏は……』
 聖獣達も言ってくる、
 俺は仕方なくその場に胡座をかくと白虎に尋ねた。
「で、どうすれば戻る?」
『いや、戻ると言われてもね…… 僕は記憶をある程度操作できるけど消えてる物を呼び起こす事はできないんだよ』
 肝心な所で使えないな、こいつは……
「ちょっと調べて見るわ」
 加奈葉は顎に手を当てて言ってくる、