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陰陽戦記TAKERU 後編

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 しばらく経つと俺と拓朗は動物病院を出た。
「いい子だな、小春ちゃんって……」
「ええ、凄く優しい子ですよ」
 拓朗は小春ちゃんの事を語った。
 彼女はクラスでも明るくて男女問わずに人気があると言う、告白する生徒も少なくないと言う、
「何だ拓朗、お前好きなのか?」
「な、何言ってるんですか! 僕は…… 同じ保健委員ですし、獣医を目指してますから……」
 図星か、
「そ、そう言う先輩はどうなんですか? 美和さんとはどんな関係まで行ったんですか?」
「……美和さん?」
 数秒の沈黙が流れる、
「あああ――っ!」
 すっかり忘れてた。
 俺は美和さんへのプレゼントを考えてたんだ。
「プレゼントですか?」
「ああ、何が良いと思う?」
 本人に尋ねても美和さんはきっと迷惑が掛かると言って断るに違いない、
 香穂ちゃんに尋ねても最近美和さんの話をすると不機嫌そうになってしまう、
 拓朗は目を背けた。そりゃ迷うな、拓朗は男だし…… 
「……って言うか、そんなに考える必要は無いんじゃないですか?」
「えっ?」
「だって、先輩が心を込めた物ならどんな物だって美和さんは喜ぶと思いますよ。相当反感買うもので無ければですけど」
 そりゃそうだ。
 だけど俺はこの思いを形にしたかった。