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陰陽戦記TAKERU 後編

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「何て野郎だ……」
 俺は鬼斬り丸を構える、奴の注意をこっちにひきつけるためとは言え美和さんの一撃を簡単に振り払いやがった。
『ほう、テメェ等まだ生きてやがったか』
「当たり前だ。そう簡単に死んでたまるか!」
『ハッ、すぐに黙らせてやるぜっ!』
 檮杌を持った鬼は俺達に向かって突進、大きく斧を振り下ろして攻撃した。
「意外と早い!」
 でかい図体に似合わずスピードが早い、そだけど厄介なのはそのパワーだった。
「一気に行くぜ!」
 俺は玄武の力を解放する、
 金色の刃に黒い光が巻きつくと鬼に向かって切りかかった。しかし、
「何っ!」
 だが鬼の回りに紫色のバリアみたいな物が表れると俺の攻撃を防いだ。
『フンッ!』
 鬼はそのまま檮杌の斧を振るって俺を攻撃する。
 俺はそのまま吹き飛ばされて警察署の壁に激突した。
「があっ!」
 全身に痛みが走って俺は地面に倒れる。
 そのあまりの痛みに俺は動くことすら出来なかった。
『今楽にしてやるよ!』
 鬼は俺に近づいてくる、しかし美和さんが複数の矢を放つ、
「散っ!」
 すると鬼の背中が爆発した。
『このクソアマァーッ!』
 鬼は檮杌で地面を砕いて美和さんを攻撃する、美和さんはジャンプして交わすが鬼はそれを見逃さなかった。
 左手を大きく握り締めると美和さんを殴り飛ばした。
『きゃああ―――っ!』
 美和さんは数メートルの距離を飛ばされ地面にバウンドして動かなくなった。
『美和、しっかりして、美和っ!』
 朱雀の武器化の維持すらできなくなり弓と分離した朱雀が美和さんを呼び続ける、しかし美和さんは答えない。
「テ、テメェ……」
 玄武の力である程度回復で来た俺は立ち上がる。
『そうでなければ面白くねぇ、すぐにあの女の後を追わせてやるよ!』
「黙れ!」
 俺は一刻も早く美和さんを回復させようと思い白虎の力を解放しようとした。
 しかし俺の懐に宝玉の状態で入ってる麒麟がテレパシーで話して来た。
『止せ武、今はこの鬼を倒せ!』
「ああっ? 美和さんがどうなってもいいのか?」
『そうじゃない、この鬼を倒さなければ美和の回復できないだろ!』
 沸騰しかけた俺の頭に冷静さ戻った。
 こいつがすんなり回復させてくれるはずが無い、
 また美和さんを連れて逃げようにもこの鬼をほおって置く事などできない、
「クソッ、いったいどうすれば……」
 俺は舌打ちをする。
『来ねぇのか? だったらこっちから行くぜ!』
 鬼は目があやしく輝いた檮杌を持ち上げる、
 すると転がっていたパトカーがフワリと宙に浮かんだ。
「なっ?」
 パトカーは俺に向かって飛んでくる、俺は走って交わすが地面に落ちたパトカーは再び宙に舞い上がり俺を襲ってくる。
「何だってんだ?」
 俺は正直焦った。
 美和さんの事で頭がいっぱいだった俺は思考回路がロクに働かなかった。
『ヒャハハハッ、踊れ踊れぇ!』
 野郎、調子に乗りやがって……
 俺は忌々しそうに歯を軋ませると俺の隣りにパトカーが振ってきて俺はバランスを崩してその場に転がった。
「うわっ!」
 不味い、しくじった。
『死ネェ!』
 俺の頭上に一台のパトカーが落ちてきた。
 身を竦めたがその瞬間、巨大な物体が飛んで来てパトカーを吹っ飛ばした。
 パトカーとそれは地面に落ちて轟音を立てた。