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陰陽戦記TAKERU 後編

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 武の家では一触即発の状態になっていた。
 たとえ仲間と言えども譲れぬ物は聖獣達とて同じである。
 今のテーブルの上で具現化して互いを見つめて火花を散らしていた。
『やっぱりダメなのか?』
『当たり前です。聖獣の長と言えども勝手過ぎます』
『例え世界を敵に回してもこれだけは渡さないわ』
『それは我とて同じ……』
『僕だって同じだ。この時をどれだけ待ったか!』
 皆一箇所を見つめる、その先はテレビの下のDVDデッキだった。
『ここはやっぱりガソダムMだ!』
『否、暴れん坊侍だ!』
『秋のソナタだよ!』
『相方2シーズンですっ!』
『いいえ、ノラえもんよ!』
 それぞれDVDを持って誰が一番先に見るかを決めていた。
『朱雀はそれ一度見ただろ? 眼鏡の少年が恐竜を飼うって奴……』
『これは声優が変わってリメイクされた奴よ、それを言うなら玄武のなんか毎回やってる事同じじゃない』
『何を言う、一国の将軍が浮き世の悪を滅ぼし世を正しく導く事のどこが悪い?』
『それなら私のだって同じです。一番実用的かつリアリティがあるのはこれです』
『そんな訳あるか! 平和への意思があるのはガソダムだけだ!』
『ロボットマニアは黙ってろ!』
『なにっ?』
 我慢の限界と化した聖獣達は一斉に飛び掛り取っ組み合いとなった。
 するとそこへ学校が終わった武達が帰ってきた。
「お前ら、何やってんだ?」
 武の一言で喧嘩は収まった。