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さらばしちはちくがつのなきがら

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体育倉庫




ポロシャツの肩に鼻先をくっつけていた奴がくしゃみを二回した。
なんかおれうわさされてる。
色気のないことを言った。

「もしやおれほこりっぽい?」
「え、いやいやいやいやそんなまさか」
「いやそこまで全力で否定しなくても」

焦ったように言いながら明らかに焦って裾から手を入れてくる。
可笑しくなってついでにくすぐったくて身をよじった。

「ああ、うん、えーと、ほら。太陽見るとくしゃみ出るじゃん」
「なにその殺し文句」
「うーん、」
「まあ、場所が場所なんだから」
「ん、うん」
「ねえ、おまえ、急ぎすぎ」

おれ、このあとちゃっかり放課後まで失踪しちゃうかまえなんだけど。
言えば、脇腹をなぜていたてのひらは余計に湿った。

「ふふ、まあ、うわさされるようなこと、してるよねー」
「……意地悪だな、」

ぶすくれる鼻先にキスをする。
しょっぱいんだけど。
色気のないまま、ぼくたちは赤くなる。