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さらばしちはちくがつのなきがら

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図書室




「何怒ってんの」
「怒ってないです」
「怒ってるやん」
「あんたがおとなだからそう見えるんです」

雨の日の放課後は苦手です。
いつも通りに校門を出ても学校世界から脱却しきれていないような気がするのです。
もくもくとわだかまるものを傘の下に抱えて家路をたどっていると、
とわにのびる学校の渡り廊下を歩いているような気になるのです。
それは恐ろしい気持ちです。
おれは怖いのです。

「言わせたいんですか」
「言わせたいんです」
「じゃあ言いますけど、」
「はい」
「帰りたくないんです」
「うん」
「だから一緒に帰りましょう」
「……どこへ、」

おれがひとり渡り廊下を渡るのは、
いつも、あなたに会いにいくときで、