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しらとりごう
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novelistID. 21379
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ブローディア夏

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番外-キミが悪い(きのう)



 昨日、石間が俺んちに来てたんだって。

 その時俺は三好んちでゲームしていた。
 携帯持ってないから、母さんからも石間からも、俺には知らせることができない。良く分かってる。
 でも悔しかったんだ。

「え? おう、石間?」

 同じクラスとはいえまさか三好が石間と番号を交換してたなんて思いもしなかったから。

「うん一緒にいる。え、代わる?」

 俺になんか、わざわざ三好を経由してまで連絡くれるのか。

「いいのか? ああ。あ、そう」

「えっ、いま木野んちいるの?」

 えっ。

 雨が降っていた。
 傘なんて意味がなくて、とにかく自転車をぶっ飛ばす。
 石間、石間。

 びしょ濡れの俺を見たらびっくりするだろうか。タルそうな集団にいるから、一生懸命な姿に引かれるかもしれない。
 でもなぜか、俺はひっくり返った傘を通り掛かったごみステーションに放り投げて走り続けた。

 雨粒が腕に痛かった。

「母さんっ、石間は?」
「あらなに凄い格好」
「石間は…」
「55分のバスに乗って行っちゃったわ。コレ、届に来てくれたよ」

「これ」
「お礼言いなさいね」

 これ……体育のTシャツ。
 多分、もしかしなくても石間の。

 雨で張り付いた前髪はなかなか端に寄ってくれなくて、俺は瞬きをした。
 鏡にうつる俺はホントにひどい格好で。三好の部屋にあったエロ本の、水着姿の女の子を思い出した。
 ひどい格好で、石間に会ったらどうなるだろうって、俺思ってた。


作品名:ブローディア夏 作家名:しらとりごう