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サイコシリアル [1]

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「あら、涙雫君も彼女のことが憎いのね。そうだわ、霞ヶ窪 桜が殺人対象となった時にあなたも参加するといいわ」
そこで僕は今更気付いた。
戯贈の戯言に惑わされていたが、というか僕が馬鹿だっただけだけれども。
いや、本当に馬鹿だ。
「今更だけど、戯贈。本当に僕に何の用があるんだ? お前は無益な行動はしなさそうだからな。何で僕に接触したんだ?」
 すると戯贈は、今日何度目かというくらい唇の端を吊あげた。実に、楽しそうだ。
 「そういえば言ってなかったわね。端的に言うと勧誘よ。私の組織の一員となってくれないかしら? いえ、なりなさい。ならないと殺すわよ」
 戯贈は勧誘ではなく、脅迫をしてきた。
 こいつは本当に一介の女子高生なのだろうか。
 ていうか、何故僕なのだろう。
 そこだけが不思議だ。不可解で仕方がない。
 「そうね。強いて言うのであれば、あなたと気が合いそうだったから。更に言うのであれば、今回の殺しの対象があなたと深く関わりがあるということかしらね」
 「後者の方が重要だ!」
 しかしながら、『殺しの対象』が僕と深く関わりがあるというのは、流石に気になる。
 僕と関わりがある。深く言えば、他人との交流に積極的ではない僕の場合、家族くらいしか当てはまらない。友人はいると言えばいるが、親友はいないから。
 浅く言えば、僕の周りにいる人間のほとんどが対象となる。担任や同級生、そして今まで関わってきた人━━全て。
 「あなたと深く関わりがある人よ。深く関わりがあるというよりも繋がりがあるというのかしら? あなたの妹よ」
 は? 今何て言った? 
 「妹に手を出したら僕が戯贈を殺すぞ!」
 「あぁ、ごめんなさい。言い方が悪かったわね。今回の殺しの対象が、殺そうとしているのが涙雫君の妹と言おうとしたのよ。言葉足らずだったわね」
 「結局妹の命が危ないじゃないか」
 「そうね、だから涙雫君の協力を仰ごうとしているのよ」
 「でも、殺し屋が他人に協力を仰ぐなんて本末転倒じゃないか?」
作品名:サイコシリアル [1] 作家名:たし