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サイコシリアル [1]

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 「『人心隔離』は、最も人間的だって言ったじゃない。ただ殺しが癖なだけなのよ。癖が出ない時はただの人なのよ。一般人よりも殺しに精通した、ただの人。そんな人たちに殺しが趣味な斬島を殺せると思う? 無理な話よ、スキルと経験が違いすぎるわ。返り討ちに合うだけよ」
 確かに言われてみればそうだな。趣味と癖じゃ根本的な意味がまるで違う。
 「よく聞きなさい、涙雫君。ここからは私たちにも大きく関わってくる所よ」
 「うん、先から良く聞いてるんだけどね」
 「うるさいわね。本当に五月蝿いという漢字が似合う男ね」
 「俺はどうすればいいんだ!」
 「死ねば?」
 「極論過ぎる!」
 「半殺し」
 「逆に残酷だ」
 「生殺し」
 「下ネタを交えた!?」
 どっちが話題を逸らしているんだか分からないじゃないか。
 どうせ戯贈に言っても、
 「涙雫君が悪いね」
 「あなたがいたのを失念していた!」
 どんな所で話に割って入ってくるんだよ。ま、猿渡警部の描写をしていなかった僕が悪いんだけれども、入ってくるところが雑すぎやしないか?
 そして、読心術も使いどころが違う気がするんだけど。
 「猿渡警部は志那ちゃんを見習って黙っていてちょうだい」
 「すまない」
 猿渡警部、戯贈妄言の前に志半ばで━━散る。
作品名:サイコシリアル [1] 作家名:たし