サイコシリアル [1]
「お兄ちゃんなら近親相姦しかねないよね」
「信用されてない!?」
「どっちかとようと信用するに値しないかな」
「どっちにしろ信用しねぇのか!」
もはや、どっちが歳上なのかも分からない会話だ。 というか、戯贈と志那のコンビネーションはサディスティック過ぎる。
だから僕は究極のマゾになるしかないか、とふと考えついた。
「・・・・・・ん?」
その時、ふいに、前方に痩せ型の一人の男性が立っているのに気づいた。
身長はだいたい百八十センチくらいだろうか。
俯きながら立っているが、口元に笑みを浮かべているのが分かった。
いや、良く見ると唇が動いている。
要するに一人で喋っているのだ。
これは単なる直感だが、あれが連続殺人魔、斬島猟木だと俺は導き出した。
隣を歩いていた戯贈も歩みを止めていた。
僕は、志那の体を守るように、志那の前へ移動した。
作品名:サイコシリアル [1] 作家名:たし