サイコシリアル [1]
「私からも一つだけいいかしら、涙雫君」
戯贈が久方ぶりに口を開いた。
「私が頭、あなたが体。だから大丈夫よ。馬鹿は馬鹿なりの行動を取りなさい」
本当は、戯贈は優しい奴なんじゃないだろうか。
今の言葉事態は侮蔑染みてはいるが、話方に悪意がない。表情もいつもよりは和らいでいる気がする。
そのたった一言でも充分僕の気持ちを和らげた。
いや、支えた。
今日、この数時間で僕は戯贈妄言の魅力を一つ知ってしまったのかもしれない。
ヤミデレも悪くはない、そう思った。
作品名:サイコシリアル [1] 作家名:たし