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赤の刻印

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僕「嫌です、自分を変える為にこの学園に来たのです。理由も分らず
  辞める訳にはいかなんです。僕に分るように説明して下さい。」

白鳥さんは困った顔をして優しい声で子供に話すように
「理由を説明する訳には、いかないのです。理由を話せば貴方に
与えられるのは死です。ですから帰りなさい。」
多分僕は、ただ意地になってたのだ、白鳥さんは本当はやさしい人で
それは僕にも分ってたのに、バカな僕は、また間違った選択をした
でも.....

僕「嫌です!帰りません。」

白鳥「そうですか、では仕方ありませんね。」と悲しそうな顔で
  「あかね、あかり、準備を」と言うと

あれ、メイドさん2人?、え、双子?などと考えていたら
両側からメイドさん2人にガッチリ抱えられ、まったく抵抗もせず
隣の部屋に拉致られた僕、その部屋は、ベッドルームだった
見た事もない大きなベット、大人5.6人が寝られるであろうそのベットに
大の字に寝かされ手足を鎖付きの手錠で固定された。
そしてあろうことか、鋏で上着が切られ上半身裸です。

そしてあろうことか、鋏で上着が切られ上半身裸です。
僕はあかねとあかりさんに向かって

「これはどう言う事ですか、外して下さいよ」頼んでみたけど
2人のメイドあかねとあかりさんは、そんな僕を部屋に置いて
さっさと出て行ってしまいました。
あのこれって、あれですか~SMってやつですか
僕犯されてしまうんですか
僕は見た目通りチェリーなんですけど、初めてがこんなにハードで
大丈夫なんでしょうか?でも半分嬉しかったりして
そこへ白鳥さんが悲しそうな顔で入ってきました。
白鳥さんみたいな綺麗な子に犯されるならいいかも、グフ
僕は底抜けにバカだった、相手が女の子だったから、なめていた
しかしそれは後の祭りで、愚の骨頂で世界一愚かな事だったかも
しれないし、僕が望んだ生まれ変わる事に成功したと言えるかも知れない
彼女はゆっくりベッドに上がり、僕のお腹の上に跨るように乗り
僕に覆い被さった、彼女の髪が僕の顔に掛かり、ものすごく
いい香りがし彼女の重さを心地よく感じた次の瞬間
彼女が僕の左首に噛み付いた。
僕は痛みに耐えられず「うおー」と叫び、彼女を押しのけようとしたが
鎖と手錠はびくともせず、ただ僕の手首と足首を痛めるだけだった
しかし苦痛がさらに強くなる、彼女は僕の血を飲んでいるのだ
全身が熱く痛い、脳が破裂しそうな程疼き、もう指1本も動かす事が
できない、今度は体温が急激に下がり寒さに震え息が出来なくなり
意識を失った。

どのくらい時間がたったのだろうか、喉が異常に渇き意識が戻った
夢だったのか?と思ったがやっぱり特大のベットの上で鎖に繋がれた
ままだった。

ベットの脇に彼女が居て、僕に向かって言った言葉に愕然とした

彼女「この学園は私達吸血鬼の為の棲家なの、貴方が選ばれた理由は
   私には分らないけど、本当の貴方がここでやらされる事は
   もっと下等な事だったの、でも私はそんな事は許せなかったから
   貴方を逃がしてあげたかったけど時間がなかったし
   理由は話せなかったので、貴方が帰らないと言うからこうするしかなかった」

一旦言葉を切って彼女は少し俯いたが、また僕を見つめて

「どうする、このまま死を選ぶ事も出来るし、私の眷属になる
 事もできるけど、貴方が選択なさい。」

僕「死か眷属? 眷属ってなに?」

彼女「貴方も吸血鬼になって、私と共に生きる事よ」
  「貴方には、どうでもいい事かもしれないけど、この世界では
   私の眷属として生きる事は、名誉な事とされるわ
   この世界では、私の眷属になる事はとても神聖で名誉な事なの
   でも貴方はまだ普通の人間、今なら人間として死ねるわ」

白鳥「私は、人間として死ぬ事を、お勧めするわ」

僕「死ぬの怖いです」

白鳥「残念ですけど、余り時間がありません、今すぐお決めなさい」

僕「白鳥さんの眷属にして下さい。」

僕は死にたくなかった、だってまだ何にもしていないのに
勿論、中学時代は最低だったけど未来はまだこれからなんだから
それでも僕は、やっぱり死んで置けば良かった。
白鳥さんは、笑ったのか、呆れたのか、複雑な顔をして立ち上がった
かと思ったら、一瞬だった
僕の顔の上に白い華奢な左手を差し出し右手に持ったナイフで
左手首を自ら切った。
噴出す血液が僕の口へ、乾いた喉を潤すように僕は彼女の血を飲んだ
彼女の血が胃に辿り着くと、僕の体中に駆け巡る力を感じたその時
全身が焼けるように熱くなり苦しい、僕は唸りを上げ暴れるが
鎖は切れる事なく僕を押さえつける。

白鳥「その痛みは、3日続くから耐えなさい」

僕「先に言ってくれ~」

白鳥「言えば良かったわね、そしたら死を選んでくれたかも知れなかった
   かしら、ごめんなさいね、でも後の祭りね、うふふ」

僕「わざとだろ~、うぁ~助けろ」

白鳥「もう助けてるじゃない」

3日間、まるっと72時間、地獄のようにずっと体をバーナーで焼かれている感じ
ただ3日間ずーと白鳥さんがベットの脇で見守ってくれていた
1日1回強制的に白鳥さんが血を与えてくれた、乾いた喉に心地いいし
血を飲んでる時だけは、体も心も穏やかになるけど、
飲んだ後はまた苦しさが襲ってくるのだけど、
一旦楽になっただけに苦痛が倍に感じる
地獄の3日間がようやく終わり、僕は生まれ変わった。

4日目になった途端、燃えるような全身の痛みが嘘の様に消え
そればかりか体の中から力が湧き出し、世界が違う物に見える。

白鳥「お疲れ様、気分はどう」

僕「生まれ変わったようです」

白鳥「そうでしょうね、実は貴方のこの3日間の生存率は20%だったの
   あの場で死ななくてもどっちみち死ぬ確率の方が高かったのよ
   うふふ、良かったわね」

僕「うふふって、たった20%、どうりで苦しかった訳だ。それでも
  生きてるって事は、僕には生きる資格があるって事だね」

白鳥「そうとも言えないわね、私も貴方も生きているようで死んでるわ
   死んでいるから、もう死ねない。」

僕「.......」

メイドのアカネとアカリの二人が手錠を外してくれて、ようやく開放された
暴れて手錠に食い込み骨まで達していた手首のキズは、綺麗になっている

白鳥「簡単にレクチャーして置くわね、私達にも人間と同じように、組織?
   家系があるの、本家が4神、白神(白鳥)、黒神(黒香)、赤神(赤枝木)
   青神(青丈)、白鳥の名は人間界用なの、4神の頂点が白鳥で他の3神
   が白鳥の守りと吸血鬼の世界を制御しているの、4神それぞれに分家
   が有りこの学園に居るのは、それら全ての家の青年部と言ったとこかしら」

僕「ふ~ん、青年部ね、年齢は僕と一緒なの」

白鳥「いいえ、200才前後ね」

僕「マジ?」

白鳥「マジ、私達の親の世代は殆ど殺されてるから、はぐれ者意外は
   大概ここにいるわね。さっき3神が白鳥を守っていると言ったでしょ
   それはね、私達を狩っている一族が居るのよ、同じ吸血鬼でありながら
作品名:赤の刻印 作家名:蛭田潤