双子座の流星
しばらく、二人で頭上に輝く星々、欠けた地球、より一層明るく輝く太陽を無言で眺めた後、彼女が口を開いた。
「もう帰りましょう、夜が明けてしまうわ…妹さんに見せる写真は決まったかしら?」
「うん、君の写真にするよ」少年は頷いた。
「本当に?恥ずかしいわ」
「でも、とっても綺麗だと思ったんだ」
「…そう、まあ、別にいいわ。私の写真を見せるなんて、なんだか変ね」
彼女は困ったような表情で少し笑った。
「変?」
「ええ、とってもおかしいわ」
そして最後に、満面の笑顔を見せた。ほら、やっぱり綺麗じゃないか、と思った。
でもなんだろう。彼女の瞳に、きらきらと光る滴が見えた。滴は頬を伝い、落ちた。その光は尾を引いて、放射状に宇宙を流れた。星の遍く満ちた空に、ひとつの光の筋が横切った。それは本当に一瞬で、目を離していれば見逃してしまいそうだったけれど、彼の目にはしっかりと見えた。そうだ、あれは流れ星だ。
流れ星の線は空の端まで続き、小さくなり、消えた。後に残ったきらきらと輝く尾も、星空に薄れて、消えていった。